お元気ですか? 苺です!
苺(いちご)と書いて苺(まい)と読みます。

最近、体調悪くて…病院に行ってもスッキリしないんだょね~

漢方専門のお医者さんに診てもらったら?
漢方医学は身体も心も体質も全部ひっくるめて診てくれて、西洋医学では病名がつかない症状でも改善することがあるんだよ!
更年期の症状やなんとなく体調が悪いといった不定愁訴(ふていしゅうそ)・未病(みびょう)は、西洋医学では病名にならない場合があります。
漢方薬とは
天然の生薬(しょうやく)を複数組み合わせて処方されたものを「漢方方剤」といい、薬局でも市販されている漢方薬のことです。
現在では普通の病院でも漢方薬をとり入れている医師が増えており、保険もきくので手軽に処方してもらうことができます。
煎じ薬とエキス剤
漢方薬のもともとの形は、決められた分量・割合で配合された生薬を煎じ(煮出し)て、その汁を飲む「煎じ薬」です。
今でもありますが、生薬を煎じて飲むのは手間がかかるので、簡単な「エキス剤」が広く使われています。
「エキス剤」は生薬を煎じた汁を、顆粒状や粉末状に加工したものです。
製造過程で香りがとんだり、揮発性の成分が失われたりすることがありますが、一定の品質が保たれ何よりも手軽に服用できて携帯もしやすく、飲みやすいのがメリットです。
西洋薬とのちがいは?
空腹時の服用が効果的
漢方薬を効果的に用いるために、上手な飲み方を知っておきましょう。
漢方薬は1日2~3回服用することがほとんどです。これは西洋薬とあまり変わりませんね。
西洋薬は食後に服用することが多いですよね?ですが漢方薬は空腹時に飲んだ方が効果的なので、食前・食間の服用が指示されます。

食間は食事と食事の間のこと。食事中に服用するのではありませんので、念のため
ちなみに食間とは食後2~3時間後のこと。食前は食事の30分~1時間前のこと。食後は食後30分以内のことです。
漢方薬は、天然の草根木皮からつくられ食べ物に近いものなので、腸で食べ物と一緒になってしまうと効き目が弱くなってしまいます。

だから空腹時の服用が大事なのね!
飲み忘れた時は食後に飲んでもいけないわけではありませんが、効き目が少し落ちます。
ただし空腹時に漢方薬を飲むと胃腸の調子が悪くなる人は、食後に飲んだ方がうまく使えることもあります。

そんな時は自己判断せずに、必ず医師に相談しましょう!
また複数の漢方薬を併用する場合に、不都合な重なりを避けるために服用時間をずらすことがあります。

へぇ~!西洋薬ではあまり聞かないやり方だね!

漢方薬の飲み時間にもすべて意味があります!指示された飲み方を守りましょう
温かくして飲むのが基本
漢方薬のもともとの形は煎じ薬で、アツアツのものを飲むイメージありませんか?
分包のエキス剤を飲む場合も、お湯にといて煎じ薬の状態にしてから飲んだ方が、本来の効果が発揮されやすいと考えられています。
とくに冷え症状のある人は、医師からも温かくして飲むことがすすめられるでしょう。
お湯でとくと飲みにくいという人は、温かいお湯で服用するといいですよ。

ただし水で飲むことを指示される場合もあるので、注意しましょう
飲みにくいからといってジュースや牛乳などに混ぜるのは、やめましょう。化学変化が生じるおそれがあります。
溶かしてもダメ!顆粒状もダメ!な時はオブラートを利用する方法もあります。
👇袋型のオブラート♪便利ですよね~👇
漢方薬にも副作用はある
西洋薬ほど多くはありませんが、漢方薬にも副作用があります。

副作用ゼロだと思い込まないでください!
漢方薬を飲み始めて薬が効果を発揮する過程で、一時的に具合が悪くなることがあります。「瞑眩(めんげん)」と呼ばれ、頭痛・腹痛・めまいなどの症状があらわれます。
副作用と紛らわしいのですが、これは素人には判断できませんので、必ず医師に報告してください。
漢方薬はあげない!もらわない!
漢方医学は一人一人身体・心・体質・環境などが違う、いち個人として診察します。
なので似たような症状でも処方する薬がちがいます。
同じような症状だからといって、素人判断で家族や友だちに自分の薬をあげたり人から薬をもらったりしないようにしましょう。

体質が真逆の人とは、処方される漢方薬の効き目がちがうのは簡単にわかりますよね?

でも漢方専門の病院って、なんか異次元っぽくて敷居が高いョね~

確かに知らないことが多いだろうから、ちょっと予備知識がある方がいいよね!
漢方の診察法「四診(ししん)」とは
- 望診(ぼうしん)
- 聞診(ぶんしん)
- 問診(もんしん)
- 切診(せっしん)
望診(ぼうしん)は目で見て
目で見る新療法。顔色・皮膚や爪の色や状態・頭髪の状態・目の光・唇や歯茎の状態・体格・体型・動作や精神状態などから読みとる。
舌診(ぜっしん)
望診のなかでも、舌をみるのを特に「舌診(ぜっしん)」という。舌の色や状態、舌苔(ぜったい)がポイントになる。
聞診(ぶんしん)は耳と鼻で
耳から聞く、鼻でにおいをかぐことによって情報を得る診察法です。
患者さんの声の大きさやハリ・話しぶり、呼吸音や咳、体臭・口臭・便臭などが判断材料となります。
問診
西洋医学の問診とほぼ同じですが、漢方では特に自覚症状のうったえを重視します。
受診の動機となった症状以外に、患者さんも重視していないような症状も、見きわめる重要な情報となります。
自覚している不調のすべてを詳しく伝えることが大切です。
- 全般的な体調
- 排尿・便通の状態
- 汗のかき方
- のどの渇き・口の渇き
- 冷え・のぼせがあるか
- めまいがあるか
切診(せっしん)は身体にふれて
患者さんの身体に医師が直接手を触れておこなう診療法で、西洋医学では触診という。
脈診(みゃくしん)
手首で脈を診ます。脈の速さや強弱のほか、皮膚の表面近くで打っているか?深いところで打っているかなど、脈の性質をみます。
腹診(ふくしん)
あお向けに寝て力を抜き、腹部(みぞおちから下腹部)を医師が手でふれたり押したりして診察します。
お腹の緊張ぐあいや押すと痛む圧痛(あっつう)がないか?お腹を軽くたたくとポチャポチャ音がする、腸がムクムク動くなどが重要な情報となります。
漢方医学では「四診(ししん)」によって得られた情報を「証(しょう)」といいます。
医師は「証(しょう)」をもとに診断し、治療に用いる漢方薬を選択します。
慢性的な症状であれば、まず2週間ほど服用して変化をみます。薬があっているようなら服用を続けます。
変化がない場合は処方を変えるので、病状がどのように変わったか?患者さんがしっかり伝える必要があります。
漢方薬の処方数は無限にあるので、患者さんと医師の意思疎通の繰り返しによって、より患者さんに合った漢方薬を見つけることができるのです。

ただし西洋医学的な検査をしないと見つからない病気もあります

漢方治療を希望する場合も、まずは西洋医学の検査・診断を受けて病気を確認してくださいね
漢方薬 Q&A

重要項目は重複しているので、しっかり頭に入れて下さいね!
漢方薬は即効性がない?
一般に西洋薬は飲めばすぐに効くが、漢方薬は効果があらわれるのに時間がかかるというイメージがあるようです。
しかし例えば風邪をひいた時に、その人に合った漢方薬をすぐに飲めば15~30分後には頭痛や関節痛がやわらぐなど、何らかの効果があらわれ一服でおさまることもよくあります。
使い方によっては即効性も期待できます。
慢性病の場合は長く薬を飲むことになりますが、漢方薬の効果は飲み始めて1~2週間である程度判断できることが多いのです。
漢方薬は副作用がない?
漢方薬も薬ですから、副作用が起こることはあります。
副作用の出る頻度は低く、副作用のために漢方薬をつかえなくなる人はめったにいませんが、注意は必要です。
アレルギーが起こる可能性もあります。
漢方薬をのんで発疹・かゆみ・腹痛・下痢・食欲不振・むくみなど、不都合な症状が出たり、体調が普段と違うと感じたら副作用をうたがうことも必要です。
万が一副作用が出ても、たいていはすぐに服用をやめれば大きな問題にはならないので、飲み続けないで医師・薬剤師に相談しましょう。
漢方薬が合っているかは、どのように判断する?
漢方薬を飲んで胃腸障害・かゆみ・発疹などの症状がでないかをみます。
アレルギーや副作用が出たら、その薬が合わないと簡単に判断できます。
そうしたはっきりした症状でなくても食欲がなくなったり、体調が悪くなったという場合も、その薬は合っていないといえるでしょう。
一方で症状が改善した場合はもちろん、よい方向への変化が見られれば合っていると考えてしばらく服用を続けます。
例えば3つの症状で漢方薬を服用し、2つの症状は残っていてもひとつは改善したような場合は、合っていると考えて処方を一部変えたりします。
複数の漢方薬を併用してもイイ?
漢方薬でも複数の薬を組み合わせて用いることはあります。
ただし飲み合わせの向き・不向きがありますので、一緒に服用することを避けたり時間をずらして飲むなどの工夫を要する場合もあります。
これは医師が判断することです。とくに複数の医師から処方を受ける時は、お薬手帳を持参するなどして飲んでいる薬を必ず医師・薬剤師に伝えましょう。

お薬手帳は西洋薬と同じだね!
妊娠中に使っても大丈夫?
つわりや流産の治療に漢方薬が使われ、妊娠中の風邪などで処方されることもありますが、漢方薬なら普段と同じように使えるわけではありません。
妊娠中は安易に薬は飲まない方がイイと考えてください。
漢方薬といえども慎重に扱う必要があるので、服用に当たっては医師・薬剤師に必ず相談しましょう。

漢方薬だから安心!という考え方はちょっと危険です